特許権のクロスライセンスについて考えてみた

Amazonがドローンや地下を使った、モノの輸送方法に関する特許を取得している。

これに対して、Googleは人工衛星を使い、ネットワークを構築する特許を出願している。
AmazonやGoogleが取得しようとしている特許は、すぐに実現できるような代物ではない。
だけど、実現しようと思ったら、必ず使うことになる特許だと考えられる。
このような特許を取得されると、多くの会社は特許使用料をその特許権を取得する会社に払う必要が出てくる。
このような特許を基本特許という。

もちろん、基本特許だけで実施できるわけではない。
AmazonやGoogleのアイデアを実現するために、いろいろな部品や技術が必要となるだろう。
それらもまた、特許となりうる。
つまり、AmazonやGoogleに先んじてそれらの特許を取得すれば、AmazonやGoogleも基本特許の実施が制限されることになるのだ。

具体例を挙げてみた。
AmazonやGoogleのアイデアを実現するための部品をNTTが開発し、特許権を取得したとする。
この場合、NTTはAmazonやGoogleの特許権について使用許諾を受けなければ、部品を使うことができない。
一方で、AmazonやGoogleも、NTTが開発した部品の特許権の使用許諾を受けなければ、発明を実装できない。
3社とも、権利を1つだけ持っているだけで何にもできなくなってしまった。
これでは、産業の発達どころか、衰退を招いてしまう。
しかし、このような状況は企業間の競争が正常に機能しているとも考えられる。

このような状況を解決し、特許法の目的である産業の発達に資するためにはどうするか?
一番簡単な方法は、お互いに使用許諾契約を締結することだと思われる。
また、別の方法として、日本の特許法では92条にクロスライセンスと呼ばれる、上記のような状況に陥った場合、特許庁長官に裁定を請求することで、お互いの特許権を使い合うことができる規定がある。
どちらが良い。ということはない。事業戦略上どちらが有利か?で決めるべきだ。
しかし、クロスライセンスは手続きが複雑であるし、裁定の請求もそれなりの時間が必要となる。
迅速な解決を望むのであれば、使用許諾契約を締結することが望ましいように思う。

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