意匠の公開時期を調整したい時は秘密意匠制度を使おう

今日のテーマは意匠法の「秘密意匠」です。

登場人物
僕:広島弁を操る主人公。
客:デザイナーを自称するお客さん

<作り話>
客:おい、こんなん作ったよ。
僕:なんじゃ、これはまた面白い形をしたスノボーじゃのぅ。
客:これ、来年の冬に流行ると思う。
僕:来年か。もうちょい時間があるのぅ。
客:これ、意匠登録出願したいんだ。だけど、登録すると公開されちゃうだろ?だけど、冬まで非公開にしたいんだよ。
僕:ほいじゃあ、出願をそれまで待つんか?
客:それじゃあ、冬までに誰かにパクられちゃうかもしれないじゃん。意匠権もすぐ欲しいし、公開もしたくないんだよ。
僕:じゃあ聞くけど、コレどこで売るんね?
客:日本だけだよ。俺、そんなにたくさん作れないよ。
僕:じゃあ、意匠法14条の秘密意匠制度でも使うかの。
客:なんだいそりゃあ?
僕:わしなりに簡単に言うと、権利化されても、しばらく意匠の内容が公開されない制度じゃ。書誌的事項は公開されるがの。
客:なにそれ、超いいじゃん。今の俺にぴったり。早速やってくれよ。
僕:ええよ。何年秘密にしてほしいん?
客:10年。
僕:無理じゃ。
客:え、話が違うじゃん。
僕:最大で設定登録の日から3年じゃ。来年の冬ならそれで十分じゃろ。
客:じゃあ3年。
僕:ほい。言い忘れたが、秘密にしてる間は権利行使めんどくさいけんの。
客:なにそれ聞いてないんだけど。
僕:意匠の内容が公開されてない間は、他の人は意匠登録されてることを知らんわけじゃ。そんな状態で権利行使されても困るじゃろ?
客:それもそうだ。
僕:差止請求するときは、事前の警告が必要じゃ。損害賠償請求するときは過失の立証が必要になるけんの。
客:うえー。めんどくせ。
僕:秘密にする期間は後で調整できるけん、いつでも言ってくれ。発売前には公開した方がいいじゃろ。
客:あいよ。サンキュー。

今回登場した、意匠法14条に規定されている秘密意匠制度は、意匠権の設定登録の日から最大3年、登録意匠の内容を非公開にすることができる規定です。
ただし、非公開と言っても、設定登録されると書誌的事項(意匠権者の氏名等)が記載された公報は発行されます。
このため、なにかが秘密意匠として登録されているぞ!ということは知ることはできます。
なお、秘密意匠制度は、登録意匠の内容が非公開であるという都合上、意匠権を侵害した人に対する権利行使が手間になっています。
差止請求をするときは、所定の警告が必要ですし、損害賠償請求をするときも、相手の過失を立証しなければなりません。
これは、登録意匠が秘密にされているにもかかわらず、その登録意匠で権利行使されてしまうのは、登録意匠を実施していた人に酷だからです。
もちろん、登録意匠の内容が公開された後は、その必要はなくなります。

登録意匠の公開時期を調整したい時は、秘密意匠制度をご活用ください。

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