発明の定義

今日のテーマは、特許法における発明の定義です。

登場人物
僕:広島弁を操る主人公
客:プロ野球選手を志す子供

<作り話>
僕:ここは遊び場じゃないぞ。
客:バカにすんな。この野郎。
僕:ほいじゃあ、お客さんか?
客:そうだ。オレの発明を見てくれ。
僕:お、特許かの?
客:そうだ。この大魔球だ!俺はこれでプロに行くぞ。
子供は野球ボールを取り出すと、壁に向かって投げた。
すると、野球ボールは上下に大きく動きながら壁に向かって進み、ぶつかって落ちた。
僕:こんな上下に動くボールは、わしも見たことないわい。
客:ヘッヘッヘ。すごいだろ。
僕:この野球ボールが発明なんか?
客:違う。この投げ方だよ。
僕:投げ方!?
客:そう。ボールは普通のボールでいいの。
僕:ほいじゃあ、特許は無理じゃ。
客:えー!?なんで、こんなにすごい発明なのに。
僕:すまんが、発明には要件があって「自然法則を利用していること」「技術的思想であること」「創作であること」「高度なものであること」が必要なんじゃ。このボールの投げ方は、技術的思想とは言えん。個人の能力に依存するところが大きく、誰がやっても同じ結果になるとは言えんけんの。
客:えーん。せっかく作ったのに。
僕:そがいに心配せんでええで。特許出願関係なく、そんな魔球、多分お前しかできんけん。
客:本当?
僕:ほぅじゃ。じゃけん頑張って、プロに行くんじゃね。

今回は発明の定義の話です。特許法2条1項に「発明とは自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なものをいう」と規定されています。
これは、4つの要件を含んでいます。
具体的には、「自然法則を利用していること」「技術的思想であること」「創作であること」「高度なものであること」です。
この中で、「技術的思想であること」が今回問題になりました。
この「技術的思想」とは、目的を達成するために必要な手段であり、他人にその内容が伝達でき、誰がやっても同じ結果が得られる概念を言います。このため、今回の魔球の投げ方は、誰でも同じ結果が得られるものではないため、技術的思想には該当しませんでした。

この話は、弁理士試験の勉強をしていた時、テキストに書いてあった「フォークボールの投げ方は特許を受けることができるか?」という話を元にしています。

 

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