実用新案権を行使するときの注意点

今日のテーマは、実用新案権の権利行使での注意点です。
今回は、権利侵害のお話です。

登場人物
僕:広島弁を操る主人公
客:村の発明家
悪:実用新案権の侵害者

<作り話>
客:助けてください。事件です。
僕:わしは刑事事件は担当しとらん。まずは警察に行くのが筋じゃろう。
客:そうじゃないんです。あんたの力が必要なんですよ。
僕:おかしなことを言うのぅ。どっこいしょ。
———移動———
悪:はっはっは。この考案は実に素晴らしい。
客:待て、そこまでだ。
悪:なんだ、お前は。
客:お前が持っているその考案の考案者だ。仲間を連れてきたぞ。
悪:それがどうした、あぁ?
客:お前のその実施行為もそれまでだ。
僕:なんか、実用新案権の侵害事件っぽいのぅ。
悪:おい、お前がきたところで何の役にも立たんということは知ってるだろうな?
僕:当然じゃ。たいぎーのに無理矢理引っ張ってこられただけじゃ。
客:え、どういうことですか?
僕:あいつの話から推測すると、実用新案権の侵害じゃろ?
客:そうですよ。
僕:ほいじゃあ今のままじゃ権利行使できんよ。実用新案登録出願をするとき、実用新案法29条の2について教えてもらわんかったんか?
客:いえ、実は自分で出願しました。無事に登録されたんで、悪の行為を止めようとしたんですが、全く話がわからなくて。
僕:そうじゃろうのぅ。いずれにせよ今のままじゃ何もできんで。とりあえず帰るけんの。
客:え!?
悪:はっはっはっは。賢明だな。
———移動———
客:どうして帰るんですか?
僕:ええか?実用新案権ってのは、形式を整えて出願すれば、大抵登録されるんじゃ。ほいじゃけぇ、本当は登録できないものも登録されることがあるんよ。
客:え、じゃあ意味ないじゃん。
僕:その代わり登録されるのが早いんじゃ。じゃが、権利行使するとき、ちょい手間がかかるんよ。
客:どうすればいいんですか?
僕:まず、実用新案法12条の実用新案技術評価書を取得しないといかん。こいつを使わんと権利行使できん。しかも、こいつで肯定的な評価を得んと勝負にならんで。
客:そんな。。。どうすれば?
僕:簡単じゃ。特許庁長官に請求すればいいんよ。
客:わかった。
僕:ほいじゃあとりあえず請求するけんね。届いたらまた連絡するわ。
客:く、悪め。。。今は見ているしかできないとは。
僕:侵害系の話は長くなるのぅ・・・。
<続く>

今回は、実用新案権侵害時の権利行使のお話その1です。
実用新案は、考案内容の審査がされません(特許では審査されます)。
そのため、特許と比べて、早期に権利を得ることができます。
しかし、審査がされないことから、無効理由を持ったまま登録されることがあります。
そこで、実用新案法では、無効理由を有する権利が濫用されることを防ぐため、権利行使に制限規定を設けています。
その中の一つが実用新案法29条の2に規定されています。
29条の2には、実用新案権者などが権利行使するためには、実用新案技術評価書を提示して警告した後でなければ権利行使できない。と規定されています。
この実用新案技術評価書とは、特許庁で登録された実用新案の内容を評価し、その結果を表したものです(実用新案法12条)。
実用新案権者は、この結果を見て、権利行使するかしないか決めます。

実用新案権は、登録した後も権利行使するまでに準備が必要です。
実用新案技術評価書の請求をお忘れなく!

 

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