実用新案法における訂正の注意点

今回は、前回に引き続き、実用新案権の権利行使のお話です。

権利行使をするために請求した実用新案技術評価書の内容が思わしくなかった時、訂正をすることになります。
今回のお話は、その訂正についてのお話です。

<登場人物>
僕:広島弁を操る主人公
客:村の発明家。

<作り話>
前回の話 実用新案権を行使する時の注意点
僕:届いたで。技術評価書。
客:おお。結果はどうでしたか?
僕:ダメじゃ。実3条2項に該当するっていう、否定的な評価書じゃ。
客:えー、このままじゃ、あいつを止められないよ。
僕:そー言われてものぅ。ほうじゃ、訂正しようか?
客:訂正?
僕:そうじゃ。今の状態なら一回だけ実用新案登録請求の範囲とかを実用新案法14条の2第1項で訂正できるで。これで否定的な評価を解消できるかもしれん。
客:おー。やってみてくださいよ。
僕:任せろや。
————数日後————
僕:訂正内容考えたで?見てみぃ。
客:どれどれ。おー、なんだかよくわからないけれど、良くなったんじゃないですか?
僕:これで、3条2項は解消しとるはずじゃ。あとは特許庁側の判断じゃな。出すで?
客:お願いします。
僕:それから、訂正後の内容で、もう一回技術評価書を請求しとこうかの。
客:結果が覆ったか確認するんですね。
僕:それもあるが、肯定的な評価書じゃないと、権利行使してもダメじゃろうと思うしの。
客:次も否定的な評価だったらどうするのですか?
僕:14条の2第1項訂正は1回しかできん。ほいじゃけえ、あとは否定的な評価を受けた実用新案登録請求の範囲を、実用新案法14条の2第7項の訂正で削除していくしかないんじゃ。
客:えー。削除かぁ。。
僕:1項の訂正は、文言を変えるけん、頻繁に変えよったら、第3者が明細書を見る負担になるじゃろ?ほいじゃけん、1回に制限しとるんよ。
客:ふーん。
僕:わし、結構調査して訂正したけん、これは大丈夫だと思うで。
客:期待してるわ。
ーーー技術評価書到着ーーー
僕:きたで。技術評価書。
客:どうですか?
僕:見事に肯定的な評価を得たぞ。
客:おおー、ありがとうございます!
僕:まだ事件は終わっとらんけん、礼は最後に言うてくれ。
客:はい。
僕:ほいじゃあ、あやつのとこに行こうかね。
客:了解です。ついにこの時が来た。やっつけてやるぞ!
次回に続く。

今回は、実用新案登録請求の範囲の訂正のお話です。
実用新案権は、実体審査なく登録が行われますので、無効理由を抱えたまま登録されることがあります。
そのような場合、何の措置も取れないと、せっかく権利を取得しても意味がありません。
そこで、実用新案法14条の2には、無効理由を解消できるよう、実用新案登録請求の範囲の訂正について規定されています。
訂正には2つ規定されており、実用新案登録請求の範囲等の減縮等が行われる1項訂正と、実用新案登録請求の範囲の削除のみができる7項訂正があります。
このうち、1項訂正は、所定期間内に1回しか行うことができません。これは、頻繁に減縮等がされることで、内容が変わっては、明細書などを見る第3者に取って大きな負担となるので、これを防止するためです。
一方で7項訂正は、実用新案登録請求の範囲の削除のみ可能ですから、回数に制限はありません。

実用新案権を取得した時、内容の訂正回数には制限がありますので、ご注意ください。

カテゴリー: 実用新案法 パーマリンク