互いに類似する意匠を出願する方法

今日のテーマは、意匠法10条に規定する関連意匠制度です。

<登場人物>
主:広島弁を操る主人公
客:フリーのデザイナー。

<作り話>
主:おや、どうしたん?
客:こないだ出願したデザインは、舟をアイデアに創作した物だったろう?
主:ああ、ほうじゃったね。
客:前と同じコンセプトで、新しいデザインを作ったんだ。
主:おお、これか。
客:そうだ。これを出願したい。
主:ふーむ。これじゃあ前のデザインと類似してる可能性があるのぅ。
客:なんだと、俺のデザインは全て独自性があるに決まってるだろう。
主:しかし、それを審査するのは特許庁じゃけんのぅ。ほうじゃ、関連意匠使って出願するか。
客:なんだそれは。変な制度だとしたら承知せんぞ。
主:今のままこれを出願すると、前に出願した意匠と類似しているという理由で9条1項の先願で拒絶される恐れがある。
客:それは困る。どっちも俺が作ったし、どっちも出願するんだぞ。
主:じゃろ?ほいじゃけん、その関連意匠制度を利用すると、9条1項を回避して審査を受けることができるで。
客:おお。今すぐやってくれ。
主:ええで。まだ前の出願は販売とか公開しとらんよの?それで新規性を喪失してたら、手間じゃけんの。
客:まだだ。来月予定だ。安心してくれ。
主:ほうか。他になんか同じアイデアでデザインを作る計画あるん?まとめて出願したるで。
客:ない。来月からは山菜を基に作るつもりだ。
主:じゃあ、本意匠は前出願したやつ、関連意匠はこれだけにしとくで。
客:よろしく頼むわ。

こうして、デザイナーの新しい意匠は関連意匠制度を用いて、出願することになった。
9条で拒絶されることもなく、双方登録され、無事に販売できているようである。
めでたしめでたし。

ある意匠を出願した後、それと類似する意匠をさらに出願した場合、意匠法9条の先願によりいずれか一方あるいは両方が拒絶されてしまいます。
これでは、一つのデザインコンセプトから創作された複数の意匠について、意匠登録を受けることができないため、意匠の創作、保護及び利用等が阻害されてしまうという問題があります。
そこで意匠法は、関連意匠制度を設けることで、最初の出願から所定の期間内であれば、9条の拒絶理由を回避しつつ、意匠登録出願の審査を受けることができるようにしました。
この制度を利用して回避できるのは、この制度を利用した意匠間の9条1項と2項のみです。他の類似する意匠や、他の規定の拒絶理由は回避できませんので注意してください。

 

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