TPP発効により著作物の保護期間が20年も伸びる

先日、TPP協定に伴う著作権法改正案というセミナーを聞いてきました。
通常よりもかなり短い期間で法案を考えたようで、随所に文化庁担当者の苦労話が盛り込まれた面白いセミナーでした。
TPPによって大きく変わる項目は5つ。
①保護期間の延長
②侵害罪の一部非深刻化
③アクセスコントロールの回避などに関する措置
④配信音源の二次使用に対する使用料請求権の付与
⑤損害賠償に関する規定の見直し

このうち、今回は「①保護期間の延長」について整理してみました。
細部は省略していますが、ざっくりこんな感じです。
<今の保護期間>
著作物の保護期間は、著作者の死後50年までです。
法人などの団体名義等の場合は、公表後50年です。
ただ、映画の著作物だけは公表後70年と、ちょっと長めです。

<改正後の保護期間>
著作物の保護期間は、著作者の死後70年です(20年延長)。
法人などの団体名義等の場合は、公表後70年です(20年延長)。
映画の著作物については、公表後70年です(変化なし)。

ここで、TPP発効されて著作権の保護期間が70年になった時、著作者の死後50年以上70年未満経過している著作物の著作権は復活するのか?という論点が出てきます。
例えば、2015年に著作者が死後50年が経過し、著作権が保護期間が過ぎてしまった著作物について、2020年くらいにTPP発効された時に、著作権は復活するのか?という場合です。
これは、復活しません。というのも、「保護期間の延長」ですので、今ある権利を延ばすイメージです。すでに権利が消滅している場合、延ばす権利がない状態ですので、復活しません。

個人的に70年というのは長すぎるように思います。
特許が出願から20年である事、意匠が設定登録から20年である事を考えても、著作権だけ死後70年というのはバランスを欠いているように思います。
すごい著作物を作ると、途端に孫の世代までお金儲けできてしまうという、ご先祖様に頭が上がらなくなる法律です。
著作権法の目的は「文化の発展に寄与する事」ですが、こんなに保護期間を長くしてしまって、本当に文化の発展に寄与するのか?と日々思わざる得ません。
とはいえ、僕は、この法律の枠組みの中で、お客様の創作物をいかにビジネスに結びつけるのか提案できるようになっていくことが必要です。

 

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