商標大量出願の問題を解決できないか調べて見た

元弁理士に商標を大量出願されたことをきっかけに、弁理士という職業が大変有名になってきております。
これまで2記事書かせていただきました。
商標の大量出願問題を4/16のセミナーで話します
商標権侵害における損害賠償額の推定
元弁理士は、ほとんど出願手数料を払っていないため、出願の日は認定されているものの、最終的に出願却下になっていることが多いようです。
とはいえ、こんな恥ずかしい人をのさばらせたくない。
商標法を改正できないだろうか?そう思って考えて見ました。
手っ取り早く、出願手数料を払わないと受け付けないようにすればいいんじゃないか?と思いました。
なので、そういう法改正が可能か否か調べて見ました。
結論は、難しそう。でした。

日本の法律は、日本が加盟する条約を違反しないように規定されています。
それは、商標法も例外ではありません。
商標の出願日を認定する規定(商5条の2)は、商標法条約(以下「TLT」という。)に基づいて、新しく作られた規定です。
TLT5条には、「出願日」に関する規定があります。
TLT5条の最後には、「いかなる締約国も、出願日に関し、(1)及び(2)に定める要件以外の要件を満たすように要求することができない。」と規定されています。
この要件(2)[許容される追加的な要件]を見ると、「(a)締約国は必要な料金が支払われるまで出願日の認定を行わない旨を定めることができる。」と規定されていました。
僕は、これを導入すれば一発で解決するじゃん。と思いました。
だけど・・・同じくTLT5条に「(b)締約国は、この条約の締約国となる時に(a)に定める要件を適用する場合に限り、当該要件を適用することができる。」
と、規定されていることに気がつきました。
つまり、条約加盟時にしか(a)はできないということです(他の弁理士にも解釈に誤りがないか聞いて見たところ、私と解釈は一致していました)。
すでにTLT加盟済の日本は(a)の適用不可と考えられます。
悔しい・・・。
なので、特許庁は法改正できず、悪質な出願には通達で注意を呼びかけるような運用を取っていると考えられます。
もしかしたら、特許庁内でなんらかの対応を検討しているかもしれませんが、今の所、知る術はありません。

日本は1997年にTLTに加盟しているため、この問題は約20年前から内在していたことになります。20年前は、手数料を払わずに出願する奴が出てくるなんて、思いもよらなかったということですね。日本人は行儀が良かったということの裏返しでもありますが・・・。

参考
商標法条約
https://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/fips/pdf/tlt/shouhyou94.pdf

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4/16 秋葉原近郊で商標に関するセミナーを開催します。
今話題の商標大量出願に関する問題についても触れます。
知的財産(特許・商標・著作権等)に関する相談も合わせて受け付けています
IT・ビジネス弁理士 たけ
Twitter @itbiztake
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