NTT R&Dフォーラム2017〜石黒先生の講演

NTTR&Dフォーラムにて、阪大の石黒浩先生の講演を聞きました。
石黒先生は、日本国内におけるアンドロイド研究の第一人者です。
今年の3月にアメリカで行われるSXSWでのセッションに向けて、準備をされているそうです。
セッションでは、人間3人とアンドロイド2体でディスカッションをするそうです。
そんな行為が、ロボットにできるのだろうか?という疑問を聴講者に持たせることから、彼の話は始まりました。
彼自身も、成功するかはわからないけどね。と言ってました。

石黒先生は、人間とコミュニケーションができるアンドロイドを造るため、「対話とは何か?」を考えたそうです。
考えていく過程で、対話が破綻しないルールを見つけ、それをアンドロイドに実装した例を、動画を交えて教えてくれました。
彼は、それを音声認識なし対話と称していました。
ちなみに、すでに特許出願済み技術のようです。
アンドロイド2体と一人の人間の合計3者でコミュニケーションをとります。
ここで、アンドロイドは人間の音声を全て無視するところがポイントです。
アンドロイドは、人間の音声を無視するけれども、対話は破綻することなく進んでいきます。
対話が破綻しないルールに基づいて、アンドロイド2体が会話し、時々人間に話を振り、適当なタイミングで人間の話には相槌を打つ。
これで対話は破綻せずに進んでいきます。
制約条件はありますが、ほとんど違和感なく対話が進んでいくことを見ることができました。
石黒先生は、会話のストーリーができていれば、あとは人間の発話をうまく無視すればいい。実際、人の話なんてほとんど理解されていない。という見解に基づいての、対話アルゴリズムのようです。
もちろん、これは音声認識なし対話での事例です。
音声認識なし対話は、アンドロイドが備えるアルゴリズムの1つです。
彼のアンドロイドは、音声認識なし対話を含む、人間とアンドロイドがコミュニケーションを取るための多数のアルゴリズムを組み合わされて、作られています。

そのほかにも、彼が作った落語、文学、演劇それぞれのアンドロイドの話、高齢者施設での認知症改善の事例がありましたが、とても面白かった。
石黒先生は、一貫して、アンドロイドは人と人とをつなぐ技術であると主張されているように感じました。
今、渋谷の街が再開発されていますが、石黒先生もこの再開発に携わっているようで、渋谷は買い物をする街から、人と人とをつなげる街にしたいと言っていました。
これらは、ロボットが人の仕事を奪うなんていうネガティブな報道とは真逆のポジティブな主張です。
ロボットの最先端の研究者は、ロボットを使って人と人とをつなげるという新しい価値を生み出そうとしています。
仕事を奪ってやろうなんて思想はありません。
ロボットが既存の仕事をやってくれるなんて、ロボットのできることの一側面にすぎないでしょう。
ロボットはもっと新しい価値・可能性を持ったものであって、それを考えて実現していくのが人間である。
そんなことに気がついた講演でした。

NTT R&Dフォーラムでは、誰もがイメージするNTTとは思えない、様々な研究成果が発表されていました。
個人的にはAR、ブロックチェーン、IOTの共通鍵暗号に関する研究成果を見ることができたのが良かったです。
将来、自分の体験と結びつけて記事にできればと思っています。
空間を映像として送信?するKirari!を見ることができなかったのが残念です。
毎年やってるっぽいので、来年こそは見たいです。

石黒先生 研究室ホームページ
http://www.irl.sys.es.osaka-u.ac.jp

Kirari!
https://www.youtube.com/watch?v=HQfwt0I374E

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