2017年弁理士短答式試験解説 特許法第1問

先月行われた弁理士短答式試験の解説をやっていきます。
週に最低1回、全60問を最大1年かけて解説していく予定です。
趣旨は、自身の法知識の整理・補充です。
ちなみに考え方は自己流であり、必ずしも模範的な解説とは限りません。
試験問題及び解答は特許庁ホームページに掲載されていますので、そちらを参照してください。
試験問題@特許庁ホームページ

(1)◯
根拠条文は特許法182条1号です。
無効審判の審決取消訴訟が提起されると、特許庁長官にその旨が通知されます(特180条1項)。
無効審判の審決取消訴訟の被告は、特許庁長官ではないため、訴訟の終了を知ることができません。
そのため、提起された旨が通知されるならば、判決が出たことも通知されなければ、平仄が取れなくなるからです。

(2)×
根拠条文は特178条1項、実47条1項です。
審決に対する訴え等は、東京高等裁判所の専属管轄とする(特178条1項)。と書いてあります。
したがって、大阪高裁には提起できません。
これは、①審決を行った処分行政庁である特許庁が東京にあること、②審判手続きが準司法的手続きであるため、再度3審級重ねることは事件解決の遅延となること、から、地方裁判所を省略して、東京高等裁判所の専属管轄とされている。
実用新案法も同じです。

(3)×
根拠条文は実用新案法61条です。
法人の代理人等が実用新案権を侵害すると、代理人はもちろん、その法人も罰せられます。
このように両者が罰せられるのは、犯罪行為の防止を強化することが目的です。

(4)×
根拠条文は特181条2項、実47条2項です。
裁判所は、特許権無効にすべきとか、維持すべきとか、そういう給付を行う判決をすることはできません。
裁判所は、審決取消訴訟において、審決が取り消されるべきか否かのの形成判決を言い渡します。
審決が取り消されるべきである旨の判決が確定すると、審判官は、引き続き審判で審理を行い、それから審決をします。
この時、判決は、審判官を拘束するため、異なる審決が出やすくなります。
したがって、審理をすることなく審決をすることはありません。

(5)×
根拠条文は特178条1項、実47条1項です。
条文には「審決に対する訴え」と書いてあります。
そのため、訴訟を提起する前提として、審決が出ていることが必要です。
審決を出すためには、審判の請求が必要です。したがって、審判を請求することなく、訴えを提起することはできません。
また、審判を請求することなく、訴えを提起できる旨の規定もありません。

参考文献
・工業所有権法逐条解説第19版
・特許法
・実用新案法

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