2017年弁理士短答式試験解説 著作権法第1問

試験問題及び解答は特許庁ホームページに掲載されていますので、そちらを参照してください。
試験問題@特許庁ホームページ

(1)×
根拠条文は著作権法17条第2項です。
著作権法では、ベルヌ条約の要請によって、無方式主義を採用しており、そのことを明文化した規定です。
無方式主義であるため、創作と同時に著作権が発生します。

(2)×
根拠条文は、著作権法10条第1項第5号です。
とはいえ、これは裁判例を知らないと解けません。
グルニエダイン事件で、建築の著作物とはどんなものか解釈されています。
問題文に記載されているような、通常加味される程度の美的創作性では、建築の著作物として保護するには保護が厚くなりすぎるようです。

(3)×
根拠条文は著作権法10条第1項第4号です。
とはいえ、これは裁判例を知らないと解けません。
仏壇彫刻事件で、応用美術作品として保護されるものとはどんなものか解釈されています。
仏壇彫刻事件では、実用品に利用されていても、美術的に鑑賞することが目的であるものについては、著作権を付与するのが相当と解されました。そのため、必ずしも美術工芸品以外の創作物が美術の著作物として保護されないわけではありません。

(4)×
根拠条文は著作権法2条第1項第11号です。
二次的著作物とは、著作物を翻訳等することにより創作した著作物を言います。
そのため、小説から漫画を作成された場合、漫画は、小説の2次的著作物となります。
さらに、漫画から映画が作成された場合、映画は、漫画と小説の2次的著作物となります。
これは映画が作成された場合、必然的に原著作物である小説を利用することになるためです。

(5)◯
根拠条文は著作権法12条の2第1項です。
データベースの著作物の条文通りです。
ちなみにデータベースの著作物では、個々の著作物がどのように配置されているかよりも、コンピュータでの検索性について著作権が与えられています。個々の著作物の配置については、同法12条の編集著作物の規定によって著作権が付与されます。
データベースの著作物、編集著作物、どちらであっても、中身のデータの著作物性は要求されません。

なお、考え方及び根拠条文は自己流であり、必ずしも模範的な解説とは限りません。

参考文献
著作権法
グルニエダイン事件(平成15年(ネ)3575)
仏壇彫刻事件(昭和49年(ワ)291)

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